4冊だった。

冊数は少ないが、読んだ本の内容は濃かった。
多類婚姻譚(凪良ゆう)

短編集ではあるが、登場人物が重なり、話として繋がっている。
5つの話の中で好きだったのは『Beautiful Dreamer』と『小鳥たち』
Beautiful Dreamerは社内婚活に熱心な27歳、派遣社員の話。
「結婚」、そんな難しい夢でないのだが、手が届かない。女性として生きていく難しさが伝わってくる。
小鳥たちは【本屋さんのある街で】でも読んだけど、改めて読んでも良い。
越智「贔屓の蕎麦屋、喫茶店、飲み屋、本屋、これで日々はなんとかなる」これに尽きる。
クラインの壺(岡嶋二人)
仮想現実ミステリー。これが1989年に書かれた作品と知り、驚く。
携帯電話が普及していない中での待ち合わせシーン、ファミコンの話等々、時代を感じる内容がエモい。
謎が明かされていくテンポ、次の展開が気になる書きっぷり、終始面白かった。
よくこの時代に仮想現実をイメージできたなぁ、、、と。
ファイア・ドーム 上下巻(辻村深月)


人々の興味・関心が噂を大きくし、それが独り歩きする恐怖。
しかも、その噂には事実も混ざっているから怖い。
被害者が否定をすれば、話はややこしくなり、『諦める』選択を余儀なくされる。
今でこそ、SNSが噂を拡散させるツールとなっているけど
1994年という時代を考えると、SNSは存在せず、テレビや新聞で見聞きしたものが
人の口コミによって拡散され、人を傷つけるている。
拡散方法は変わっても、焚きつけるのは人の興味であることに変わりはなく
これは今も昔も変わらない。
本間のように一人で考えて、想像して行動を起こしてしまう人は必ずいる。
そしてその人を止める手立ては無い。
二次被害、三次被害へと繋がってしまう怖さを感じた。
被害者の家族が噂で苦しめられ
その噂で人生が狂った人もいて
加害者家族だって苦しんでいる。
読んでて苦しいお話ではあるけど、最後には救いを感じられる場面もあり
読み応え十分な作品だった。










