主人公、令児の空っぽぶりと
登場人物のキャラの濃さよ。。。
この漫画は怖くて面白い。
色で表現するなら令児は白
対して、周りの人物は総じて黒紫。
ポカーンと口を開けている白い男が
大きな筆で黒紫に塗りたくられます。
令児は『自分』が無いので、簡単に染まります。
Aが染めた上からBが染める、その繰り返しです。
「こっちこい!」「いや、こっちこい!」
「こっちこないで、やっぱりきて」
で、令児の置かれる状況、立場がコロコロ変わります。
これが良い方に転がれば良いのですが、そこは『アビス』
底へ底へ、深い闇に導かれるように転がります。
「出るのかい、出ないのかい、どっちなんだい!!」
「死ぬのかい、死なないのかい、どっちなんだい!!」
と叫びたくなります。
家族、学校の先生、憧れの人、幼なじみが空っぽの人間を振り回す。
『3月のライオン』で人の温かさを感じた後なだけに、ギャップが凄い。